アジアでもホワイト水素は注目されている フィリピン、インドネシア、中国の展開

(文責: 青野 雅和)

 2024年2月21日に弊社NWESにホワイト水素の動きを紹介したが、更に各地域での情報収集が活発化していくと弊社は考えている。2月28日に米国の上院でエネルギー・天然資源委員会の幹部であるジョン・バラッソ米国上院議員 (共和党、ワイオミング州) は、委員会全体の公聴会で、地層水素開発に伴う機会と課題を検討するための発言を行ったからだ[i]。米国上院でこのような発言が日本の記事でも取り上げられ、ホワイト水素が新たな資源として、更に注目されていくであろう。本稿では、さらなる情報としてアジアの事例を提供する。

1.フィリピン:天然水素探査権のオークションを開始[ii]

 首都マニラから約200キロメートル離れたサンバレス州とパンガシナン州にある PD「PDA-PH-1:134,096 ヘクタール」と「PDA-PH-2:96,439 ヘクタールをカバーしており、ルソン島の最西端に位置しており、すでに水素「ガスの湧出地」が4か所(下記図1)確認されているとのこと。DOE(エネルギー省)によれば、同サイトでは、先カンブリア時代の結晶質の盾や陸上のオフィオライト内に蛇紋岩化した超苦鉄質岩が含まれているとのこと。後者はフィリピンに豊富にあります。

図1 オークション対象地域 赤星は水素の湧出地点

出典:フィリピンエネルギー省

2.インドネシア:スラウェシ島で天然水素を発見[iii]

 エネルギー鉱物資源省地質庁(ESDM)は、スラウェシ島中部のモロワリ県で天然水素を発見した。研究は2023年10月に始まり、最初の発見に基づいて地質庁は天然水素の可能性を特定した。
 モロワリ県に加えて、地質庁のチームはスラウェシ島中部、特にタンジュン・アピ、アンパナ、トジョ・ウナ・ウナ県に他の水素ガス源の可能性があることも発見した。この分野における水素の可能性に関する研究は、2023 年8 月に開始したもの。
 アンパナでの発見は、水素ガスサンプルにメタンとともに20~30%の水素が含まれており、インドネシア、特に中部スラウェシで水素が豊富な物質であることを示している。ただし、この可能性の範囲をより正確に特定するにはさらなる研究が必要。

3.中国:新疆と四川の堆積盆地[iv]

 新疆タリム盆地と四川盆地の深層ガスにおいて、ペトロチャイナ石油探査開発研究所が研究を行っており、海洋炭酸塩貯留層(オルドビス紀とカンブリア紀)において硫化水素が存在することから、水素の可能性を検討している。

引用


[i] https://www.energy.senate.gov/2024/2/barrasso-s-statement-at-geologic-hydrogen-hearing

[ii] https://www.doe.gov.ph/press-releases/doe-announces-bidding-coal-and-petroleum-exploration-barrm-northwest-palawan-southern

[iii] https://indonesiabusinesspost.com/uncategories/natural-hydrogen-discovery-in-central-sulawesi-offers-potential-clean-energy/

[iv] https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/feart.2021.634921/full