海外の先進事業・技術の開発情報や各国の政策の概要をそのままご紹介いたします。

2024年

9月

米国のクリーンエネルギー関連の雇用は米国全体の雇用の2倍以上の伸びに New‼

 米国の年次エネルギー・雇用報告書(USEER)によると、クリーンエネルギー部門の労働組合組織率は過去最高を記録し、各州でクリーンエネルギー関連の雇用が増加しているとのこと。米国のクリーンエネルギー関連の雇用は2023年に14万2000人増加し、エネルギー部門の新規雇用の半分以上を占め、米国経済全体の2倍以上の成長率で増加しているとのこと。

引用元: https://www.energy.gov/articles/doe-report-shows-clean-energy-jobs-grew-more-twice-rate-overall-us-employment

東南アジアの原料は、世界のSAF需要の約12%を供給可能とRSBが報告 New‼

 東南アジアの11カ国を対象とした持続可能な原料評価では、この地域のバイオベースの原料能力により、2050年までに年間約4,570万トンのSAFを生産できると報告。同調査にはボーイングが支援している。

引用元: https://rsb.org/2024/09/03/rsb-launches-study-with-boeing-on-sustainable-feedstock-potential-in-southeast-asia/

Korean AirがSAFを利用開始へ New‼

 2024年8月30日から2025年7月まで、大韓航空は週1回、ソウル・仁川発東京・成田行きのKE719便にSAF1%混合燃料を使用する。この路線は、大韓航空の国内線SAFプログラムの出発点となり、徐々にSAFの使用を中・長距離路線に拡大する計画である。SAFの供給会社はS-OilとSK Energyの2社である。S-Oilは最初の6ヶ月間SAFを供給し、残りの期間はSKエナジーが供給する。S-Oilは使用済み食用油からSAFを製造し、SKエナジーは使用済み食用油と動物性油脂を組み合わせて製造する。

引用元: https://www.koreanair.com/contents/footer/about-us/newsroom/list/240830-Korean-Air-to-operate-commercial-flights-using-domestic-sustainable-aviation-fuel

欧州エネルギー取引所はドイツの連邦ネットワーク庁に対し水素ネットワークに関する回答を提出(ドイツ語のみ) New‼

 ドイツの連邦ネットワーク庁:BNetzA は、水素経済のためのバランス調整体制 (WasABi)、グリッド アクセスおよび容量モデル (WaKandA) に関する正式な手順に関する協議の回答を8月30日に提出。

引用元:https://www.eex.com/en/newsroom/detail?tx_news_pi1%5Baction%5D=detail&tx_news_pi1%5Bcontroller%5D=News&tx_news_pi1%5Bnews%5D=12787&cHash=0b965b9ed90a439b70688620a6509fcd

豪州でアジア太平洋水素2024サミットが9月12日に開催 New‼

 ロンドンのイベント運営会社であるThe Sustainable Energy Council (SEC)が9月12日~13日まで豪州のブリスベンでオーストラリア貿易促進庁と開催州クイーンズランド州政府支援を受け、アジア太平洋水素2024サミット&展示会を開催された。 1週間前の9月4日~6日に、オーストラリア水素研究ネットワーク(AHRN:全国非営利企業)が主催する第2回オーストラリア水素研究会議2024が、西オーストラリア州パースまで開催されていた。

引用元: https://ahrc2024.com.au/

EU加盟国はEU-ETSの新たな監視ルールに合意

 2024年8月29日、EU加盟国はEU-ETSの新しい監視ルールを承認した。これには、再生可能燃料および低炭素燃料の排出量をゼロとする規定、代替航空燃料の監視強化、そしてNOxや飛行機雲などの非CO2排出物の航空業界の報告が含まれている。新しい監視システムは2025年1月から稼働予定となっている。

引用元: https://climate.ec.europa.eu/news-your-voice/news/new-monitoring-rules-agreed-eu-ets-including-non-co2-emissions-aviation-sector-2024-08-30_en

蘭・Carbyon 社は自社のDAC技術の実証に1,530万ユーロを調達

 オランダの新興企業であるCarbyon社は、独自のDAC技術である「fast swing」技術の実証に向け、1,530万ユーロのシリーズA資金調達を完了したことを発表した。投資家には、Siemens Financial Servicesなどが含まれ、今後の大規模な展開に向けた準備が進められる。同技術の特徴はエネルギー効率の高さと設備の製造コストの安さであり、将来的にはCO2の回収に係るコストを100 ユーロ/t-CO2に引き下げることを目標としている。

引用元: https://carbyon.com/carbyon-closes-e15-3m-series-a-investment-to-demonstrate-its-fast-swing-direct-air-capture-technology-at-full-scale/

フィンランドでヨーロッパ最大のターコイズ水素製造工場が開設

フィンランドのHycamite TCD Technologies社は、ヨーロッパ最大のメタン分解による水素製造工場を開設した。この工場は年間2,000トンの低炭素水素と6,000トンの固体炭素を生産する。メタン分解技術は、メタンを水素と炭素に分解し、温室効果ガスを排出しないため、持続可能な水素生産の新たなモデルである。この技術は電解による水素生産の13%のエネルギーしか必要としない。

引用元: https://hycamite.com/press-releases/hycamite-opens-europes-largest-methane-splitting-plant-for-low-carbon-hydrogen-production/

北アイルランドのベルファスト・シティ空港では陸上車輛・設備へHVOを導入

 ベルファスト・シティ空港は、エアサイド車両および設備全体で、従来のディーゼル燃料に代わり、HVOを導入し、年間排出量を最大90%削減すると発表した。この取り組みは、空港の持続可能性向上の一環で、LED照明導入と合わせて行われており、空港は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指している。

引用元: https://www.belfastcityairport.com/news/Belfast-City-Airport-HVO-switch

EUは南部アフリカのグリーン水素と再生可能エネルギー開発に資金提供を発表

 2024年9月9日、EUは、南部アフリカでのグリーン水素と再生可能エネルギープロジェクトを支援するため、5,390万ユーロの資金を提供することを発表した。特にナミビアには3,690万ユーロが割り当てられることとなる。今回の発表は、南アフリカにおけるグリーンエネルギー移行を支援するEUの取り組みの一環である。

引用元: https://www.eeas.europa.eu/delegations/south-africa/joint-press-release-european-union-ministry-electricity-and-energy-and-department-trade-industry-and_en

タイ国政府観光庁(TAT)は、バンコクでアメイジング・グリーン・フェスト2024を開催、高付加価値でサステナブルな観光への取り組みを強化

 8月15日から18日までバンコクのサイアム・パラゴンのパラゴン・ホールで開催した。
 タイ国政府観光庁(TAT)のタパニー・キアットパイブール氏は「このイベントは、タイの観光エコシステムの持続可能性を加速し、経済的価値を促進し、天然資源の生物多様性を維持するというTATのビジョンを強調するもの。これは、タイを持続可能な質の高い観光地として発展させるためのタイの競争力強化のための20カ年国家戦略と、第13次国家経済社会開発計画のマイルストーン2と一致している」と言及。

引用元: https://www.tatnews.org/2024/08/amazing-green-fest-2024-marks-new-milestones-in-tats-sustainable-tourism-direction/

トタルエナジーズ・マリン・フューエルズ、シンガポールで初めてB100バイオ燃料バンカーを供給

 TotalEnergies Marine Fuels は、Global Energy Groupが所有するIMOタイプII化学燃料タンカーMAPLEを使用して、100% 使用済み食用油メチルエステル(UCOMEベース)バイオ燃料700mtをHyundai Glovis が所有する純自動車運搬船 (PCTC) Glovis Cosmos に移送した。

引用元: https://marinefuels.totalenergies.com/news/press-release/totalenergies-marine-fuels-supplies-its-first-b100-biofuel-bunker-in-singapore

世界初の商業規模の10MWのRenewable Dynamic Distributed Ammonia Plant (REDDAP)がデンマークに開設

 デンマークのSkovgaard Energy、Topsoe、Vestasが開発した商業規模10MWのREDDAP Power-to-Ammonia 施設が2024年8月26日にデンマーク北西ユトランド半島のラムメで開設した。このプラントは、発電量の変動を考慮しながら再生可能エネルギーをアンモニアプラントに直接接続し、同時にグリーンアンモニアをコスト効率よく生産する方法を模索する。

引用元: https://www.topsoe.com/press-releases/worlds-first-of-its-kind-green-ammonia-plant-inaugurated-by-skovgaard-energy-vestas-and-topsoe

8月

ブラジル政府は航空機・船舶用バイオ燃料製造プロジェクトへ10億ドルを支援

 2024年8月22日、ブラジル政府は航空機・船舶用バイオ燃料製造プロジェクトを対象に補助金の募集開始を発表した。総額60億BRL(約10億ドル)の補助金で、国立経済社会開発銀行(BNDES)と研究・プロジェクト基金(FINEP)がそれぞれ30億BRLを拠出し、ブラジルにおけるバイオリファイナリーの創設を促進することを目的としている。

引用元: https://agenciadenoticias.bndes.gov.br/detalhe/noticia/BNDES-e-Finep-disponibilizam-R$-6-bi-para-investimentos-em-combustivel-verde-para-aviacao-e-navegacao/

カナダはe-fuel 製造プロジェクト2件に対し、360万ドルを支援

 カナダ天然資源省(NRCan)は自国の輸送部門で使用されるe-fuelの生産を検討しているNuclear Laboratories(CNL)、Expander Energy、Nuclear Promise X、St. Marys Cement、FuelCell Energy(FCE)に資金を提供した。イエロー水素(原子力発電由来の電力で製造した水素)及びDAC(直接空気回収)技術を活用し、低炭素ディーゼルとSAFの製造を行う計画である。

引用元: https://www.h2-view.com/story/canada-backs-nuclear-powered-hydrogen-based-e-fuel-projects/2113933.article/

米・DOEは地熱発電プロジェクトへ3,100万ドルを支援

 米・DOEは、「米国への投資(Investing in America)」アジェンダの一環として6つの地熱発電開発プロジェクトに対して、3,100万ドルを支援することを発表した。 これらのプロジェクトは、先進的な地熱システムを導入で、貯留層熱エネルギー貯蔵がいかに産業界のエネルギー需要を削減できるかを実証するものである。

引用元: https://www.energy.gov/articles/biden-harris-administration-invests-31-million-reduce-costs-and-expand-clean-renewable

アイルランドのDAC技術を展開しているNEG8 カーボンが年間 1.2 トンの CO2 回収に成功

 アイルランドのダブリン大学で研究を展開してきたでNEG8 Carbon社はDirect Air Captureのパイロット技術が技術準備レベル (TRL) 6 に到達し、年間 1.2 トンの CO2 回収に成功したことを伝えている。当社は、2035年には除去コストを1トンあたり150ユーロ未満、2045年までに1トンあたり100ユーロ未満にすることを目指している。

引用元: https://neg8carbon.com/neg8-carbon-achieves-landmark-success-our-prototype-direct-air-capture-unit-successfully-captures-1-2-tonne-of-co2-annually/

EUは中国製HVOおよびFAME輸入品に最大36.4%の暫定反ダンピング関税を課す

 バイオディーセルの生産者を代表する団体であるEuropean Biodiesel Boad(EBB)は、7月19日にEU市場に溢れる中国製バイオディーゼルに対する貿易訴訟で暫定的な反ダンピング関税の獲得に成功した。EBBは欧州委員会に反ダンピング苦情を申し立て、欧州委員会は調査を2023年12月に開始していた。欧州委員会は4週間以内に中国製HVOおよびFAME輸入品に12.8%から36.4%の暫定反ダンピング関税を課すと発表している。

引用元: https://ebb-eu.org/news/european-biodiesel-board-obtains-provisional-remedies-in-fight-against-chinese-unfair-biodiesel-imports/

世界の平均気温は13か月連続で月間新記録を、また7月は気温の新記録を樹立

 ジュネーブに本部を置く世界気象機関:World Meteorological Organizatio(WMO)は、8月13日に世界の平均気温は13か月連続で月間新記録を樹立したと伝えている。
 WMO事務局長セレステ・サウロ氏は「過去1年間、広範囲にわたる強烈で長期にわたる熱波がすべての大陸を襲った。少なくとも10カ国で、1か所以上で日中気温が50℃以上を記録した。これは手に負えないほどの暑さになりつつある」、また「気候適応だけでは不十分です。根本的な原因に取り組み、記録的なレベルの温室効果ガス排出量の削減に真剣に取り組む必要があります」と述べている。

引用元:https://wmo.int/media/news/july-sets-new-temperature-records

英・OXCCU社はオックスフォード空港内にSAF製造実証プラントを設置

 オックスフォード大学からスピンオフしたOXCCU社はAramco 社やUnited Airlines 社、Trafigura 社等から出資を受けてSAFを含む再生可能燃料の製造に関連した技術開発を進めている。此度、オックスフォード空港内にSAFの実証プラント「OX1」を設置し、独自の技術を活用しCO2と水からワンステップでSAFを製造することを目指す。プラントの操業は2024年9月を予定している。

引用元: https://www.h2-view.com/story/oxccu-launches-hydrogen-based-saf-demonstration-plant-at-oxford-airport/2113571.article/

中国共産党中央委員会および国務院はグリーン転換を強化するための一連のガイドラインを発表

 2024年8月11日、中国共産党中央委員会(CPC)および国務院は、経済・社会発展の各分野でグリーン転換を強化するための一連のガイドラインを発表した。同ガイドラインは、地域空間の開発と保護の最適化、産業構造とエネルギー分野におけるグリーン・低炭素化の推進、交通分野と都市・農村開発におけるグリーン転換の推進など、多くの課題を提起している。

引用元: https://english.www.gov.cn/policies/latestreleases/202408/11/content_WS66b8a6f7c6d0868f4e8e9d80.html

米・タコマ港ではR99の再生可能ディーゼルの利用を開始

 タコマ港では再生可能ディーゼルの割合が99%と高く、ドロップ燃料として利用可能なR99と呼ばれる燃料の利用をstraddle carriers(コンテナヤード内でクレーンやフォークリフトの助けを借りずにコンテナを移動させる装置)で開始した。同港では、並行してEVの導入や陸上電力供給システムの配備等の脱炭素化へ向けた取組を検討している。

引用元: https://www.portoftacoma.com/news/port-tacoma-switches-renewable-diesel

欧州投資銀行とドイツ銀行は連携して風力発電業界を支援

 2024年7月31日、欧州投資銀行(EIB)はドイツ銀行(Deutsche Bank AG )に対して、 5億ユーロの債務保証を行うことを発表した。この保証によって、ドイツ銀行は新たな風力発電プロジェクトを支援するための10億ユーロの保証枠を設けることが可能となる。

引用元: https://www.eib.org/en/press/all/2024-308-eib-and-deutsche-bank-to-boost-europe-s-wind-manufacturers

欧州復興開発銀行はエストニアの風力発電所に1億ユーロを融資

 2024年8月2日、欧州復興開発銀行(EBRD)はEnefit Green 社がエストニアで開発を進めている255 MW のSopi-Tootsi風力発電所の建設と運営のために1億ユーロを融資することを発表した。

引用元: https://www.ebrd.com/news/2024/ebrd-lends-100-million-to-enefit-green-to-accelerate-estonias-renewable-energy-generation.html

韓国水力原子力発電公社は浮体式太陽光発電所の建設を開始

 2024年7月24日、韓国水力原子力発電公社(KHNP)は「臨河ダム浮体式太陽光発電クラスター事業」の起工式を開催した。同プロジェクトは、多目的ダム内に47MWの浮体式太陽光発電設備を建設するものである。

引用元: https://www.khnp.co.kr/eng/selectBbsNttView.do?key=565&bbsNo=84&nttNo=56744

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