エネルギーヴェンデ(転換)の変遷と今後の展開

【エネルギーヴェンデの変遷】

 これまで、エネルギーヴェンデに基づく「再生可能エネルギーの導入拡大」・「原子力発電の段階的廃止」・「石炭火力発電の段階的廃止」は、着実な歩みを進めている。しかし、今後の展開は、今般のロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー安全保障の危機に直面した政府の動向左右されることになる。

【2021年までのエネルギー別年間発電量の推移と今後の展開

【再生可能エネルギー】

 電力部門における再生可能エネルギーの導入量は、これまで順調に増加している。2022年以降についても、総消費電力における再生可能エネルギー割合を「2030年に80%」・「2035年にほぼ100%」とする目標へ向けた導入が進む。

【原子力発電】

 段階的な廃止の道筋を歩んできた原子力発電所は、現在稼働中の3基を残すのみとなっている。この3基は2022年末に全て停止する。

【石炭火力発電】

 段階的な廃止の道筋を歩んできた石炭火力発電所は、引き続き2038年の全停止へ向けた道筋を歩む。しかし、現在、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー安全保障の危機に対応する為に、石炭火力発電の再稼働が国内で議論されている。この事象が、今後の石炭火力発電停止に至る道筋に影響を与える可能性がある。

出典:”Bundesverband der Energie- und Wasserwirtschaft e. V. (Stromerzeugung und –verbrauch in Deutschland)”を基に、B.A.U.M. Consult Japanにて作成