ドイツにおける2022年1月1日付の容器包装廃棄物法の改正内容とドイツ連邦環境省の包装廃棄物に関する考え

(文責:青木 翔太)

 2019年1月1日から施工されているドイツの新容器包装廃棄物法は、さらなる包装廃棄物の削減とリサイクルの推進を目的として、2022年1月1日に新たに改定された。UBA(ドイツ連邦環境省)の発表に基づく変更点を以下に紹介する。※1

・Pfand制度(デポジット制度)による使い捨て飲料容器の製品対象の拡大

 ドイツでは再利用(リサイクル・リユース)と返品率を促進するために、デポジット制度である「Pfand制度」が存在する。今回の改定でジュースやネクター、スパークリングワイン、プラスチック製の使い捨て飲料ボトルや飲料缶に入ったアルコール混合飲料も同制度の対象となった。さらに、2024年1月1日迄の移行期間が設けられているが、牛乳、混合乳飲料、その他の乳製品も同制度に加えられる。

・レジ袋の販売禁止

 プラスチック製レジ袋の販売が原則禁止される。これは、最終販売業者、すなわち全業界に適用される。ただし、肉厚が15マイクロメートル未満の非常に軽いプラスチック袋と50マイクロメートル以上のレジ袋は対象外となる。

・包装廃棄物のリサイクル率引き上げ

 各包装材のリサイクル率の基準を以下とする。

・ガラス、鉄金属、アルミニウム、紙、及び段ボールの材質でできた包装物→90%(従来は80%)

・飲料用カートン→80%(従来は75%)

・その他の複合包装材→70%(従来は55%)

・プラスチック包装物→63%(従来は58.5%)

 UBAは、より確実に包装材の廃棄物化を減少させるためにさらなる対策が必要であるとして、以下の点について言及している。

・ドイツでは毎年約189億本(基準年2019年)の飲料用ペットボトルが廃棄物として排出されている為、再利用可能な飲用容器が不可欠である。

・輸送距離による環境負荷を考慮し、地域産の再利用可能な包装材の利用を推奨する。

・あらゆる包装材はリサイクルを前提に設計され、その製造にはリサイクル材を使用すべきである。包装が必要無い場合や代替素材による包装材が再利用可能な場合が可能であればリサイクル不可能な包装材は市場から姿を消すべきである。

※1 出展:UmweltBundesamt(ドイツ連邦環境省)  Pressemitteilung zum Thema Klima | Energie

https://www.umweltbundesamt.de/themen/aenderungen-im-verpackungsgesetz-1-januar-2022