CEEの産業の脱炭素化率を高めるSEIFAプロジェクトにB.A.U.M. e.V.が参加

(文責:青野雅和)

 ブルガリア、クロアチア、チェコ、エストニア、ドイツ、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニアを含む中央・東欧(Central and Eastern Europe;CEE地域)のEU加盟国と北大西洋条約機構(NATO)加盟国12カ国における工業団地や産業プロジェクト、エネルギー供給施設、エネルギーサービス企業への持続可能なエネルギープロジェクトへの投資に焦点を当てたプロジェクトが展開されている。これはSustainable Energy Investing and Financing Activation (通称SEIFA:と呼ばれるプロジェクトで、EU委員会がイノベーションを推進するHorizon 2020プログラムの一環として2021年6月1日から開始している。(Grant ID: 101033741)

 SEIFAプロジェクトの目標は、プライベート・エクイティ投資家にインセンティブを与えることで産業における構築環境※(Built Environment※)の脱炭素化を推進することである。そのために以下の金融ツールを開発している。

  • 持続可能なエネルギー投資ガイドラインとリスク管理方法論を作成する上で、環境・金融データを収集、モデル化、分析
  • 次に、持続可能性と金融データの可視化のための金融ソフトウェアツールを開発し、ユーザーがCEE地域の持続可能なエネルギー金融商品と投資可能な持続可能なエネルギー産業プロジェクトにアクセス可能とする。

 弊社ドイツのB.A.U.M. Consult GmbHを設立したB.A.U.M. e.V.では、SEIFAプロジェクトの一部分に参加しており、産業プロジェクト・エネルギー供給施設・エネルギーサービス会社への資金調達に焦点を当てている。特に重工業、鉄鋼、製紙、化学薬品の生産に焦点を当て投資資金150万ユーロを調達する予定である。B.A.U.M. e.V.はエネルギー効率を目指すソリューションとして、以下の分野における技術革新が重要と考えている。

  • 電熱供給の組み合わせ
  • 工業プロセス熱の利用
  • 照明技術
  • グリーン水素技術
  • バイオエネルギーと高度バイオ燃料の製造
  • 太陽光発電システム技術
  • 再生可能エネルギーのエネルギーサイクルへの統合

 SEIFAは、ヨーロッパ8カ国から9社のプロジェクトパートナーと協力し、異なる分野の専門知識をプロジェクトに提供していく。2023年11月迄の30か月間のプロジェクト期間中で5億ユーロ以上を調達する予定。

 ※自然と構築物(建築物やインフラストラクチャなど)と人間との関わりによって生まれる生活をとりまく環境のこと。